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「アロビックス外用液のAGA治療への効果とは」

2022.08.01

アロビックス外用液は、日本皮膚科学会の『円形脱毛症診療ガイドライン』や『男性型脱毛症診療ガイドライン』に記載されている外用薬で「カルプロニウム塩化物」を主成分としています。

今回は、アロビックス外用液の効果や男性型脱毛症に対してどのような作用があるのか、そして使用上の注意や副作用などを詳しく見ていきます。

アロビックス外用液について

アロビックス外用液の主成分であるカルプロニウム塩化物とは

アロビックス外用液は、1969年に販売が開始された「フロジン外用液」のジェネリック医薬品で、「カルプロニウム塩化物」を主成分とした処方薬です。

日本皮膚科学会のガイドラインでは円形脱毛症や男性型および女性型脱毛症に効果があるとされていますが、推奨度はそれほど高くなく、C1「行っても良い」となっています。他に、尋常性白斑の治療としても効果があると言われています。

ガイドラインの臨床データには、カルプロニウム塩化物の濃度が1%・2%・5%とあり、クリニックで処方してもらう場合は、カルプロニウム塩化物濃度が5%と高めになっています。市販の育毛剤の場合最大でカルプロニウム塩化物濃度1~2%までです。

アロビックス外用液の作用と発毛のメカニズム

人間の神経伝達物質の1つである「アセチルコリン」は、運動神経の末端や副交感神経から放出されて、神経刺激を伝達し、神経を毛根などの抹消組織で刺激してカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を放出させます。
カルシトニン遺伝子関連ペプチドには、血管の拡張作用があるとされています。

アロビックスは血流がよくなることで毛根の毛乳頭細胞に栄養をしっかりと送り届けて育毛を助ける効果があるとされています。アロビックスに含まれるカルプロニウム塩化物に、アセチルコリンと同じ働きがあるためです。

ウサギの動物実験からカルプロニウム塩化物の作用はアセチルコリンの約10倍であるという報告も出ているため薄毛改善効果にも期待されています。

さらに、カルプロニウム塩化物には内服薬があり、慢性胃炎や胃下垂を解消させる効果があるとされてます。アセチルコリンと同じ作用によって副交感神経を刺激することで胃腸の動きを改善し、胃液の分泌を促すためです。

また、アロビックスの添付文書には尋常性白斑に効果的とされていますが、日本皮膚科学会の『尋常性白斑診療ガイドライン』には記載されていないため尋常性白斑への有効な作用は明確になっていません。

自律神経のバランスを整えることにより消化性疾患の改善・弛緩性の便秘などの消化管機能改善などに効果があるとも言われています。

男性型脱毛症へのアロビックス外用液の効果に関して

アロビックス外用液は血管拡張作用によって薄毛部分の血流を良くして栄養を行き渡らせ改善しますが、アロビックス外用薬であるカルプロニウム塩化物による男性型脱毛症への効果は、ガイドラインからも推奨度C1とさほど高くありません。

アロビックス外用液では、男性ホルモンに作用する効果がなく、男性型脱毛症の場合、血流をよくするだけではなく男性ホルモンであるジヒドロテストステロンを抑えることで抜け毛を減らすことが重要となることと、ミノキシジルの効果が絶大であることからガイドラインでは少し低めに評価されています。

ただし、併用してはいけない薬がないことや薄毛の場合血行不良が一因であることが多いことなどからアロビックス外用液が治療に使われることは多々あります。

アロビックス外用液とミノキシジル外用薬との違いは?

ここまで見みますと、男性型脱毛症に効果があるとされているミノキシジル外用薬とアロビックス外用液の体への作用や発毛の仕組みなどが似ていることがお判りいただけたかと思います。

どちらも毛乳頭を活性化させて強い髪の毛を育てるという効果や、頭皮に散布することで血行を促進する作用などほぼ同じに見えます。

しかし、ミノキシジル外用薬の場合はアデノシンという物質を分泌させ、それによって細胞増殖因子の生成を促すことで血管自体を増殖させて薄毛の部分に新しい毛細血管を増やして頭皮の血行を改善させ発毛を促進させていきます。

アロビックス外用液の主な成分のカルプロニウム塩化物は、神経物質であるアセチルコリンと同様の働きをして血管を拡張することで血流を促し、薄毛の部分の血行を改善して栄養を届け髪の毛の成長を補助します。

つまり、ミノキシジル外用薬と比べるとアロビックス外用液には新しい血管を増やす作用はないため発毛効果がやや落ちると言えます。より強力な効果を求める人向けではありませんが、年齢的なもの、健康に不安を持っている人や作用が穏やかな方が良い人などには使いやすい薬剤となっています。

アロビックス外用液の使用上の注意と副作用とは?

アロビックス外用液の副作用は?

アロビックス外用液、その成分であるカルプロニウム塩化物による副作用は、かゆみなどの過敏症状・皮膚の発赤と、アセチルコリン様作用という、アセチルコリンによって副交感神経が興奮した時のような症状が出てしまうものがあります。

アセチルコリンの副作用は、具体的には刺激痛・顔面紅潮・局所発汗・悪寒・発熱・吐き気・心悸亢進などの症状です。

血流が良くなるお風呂上りや運動の後などに使用すると副作用が強く表れてしまうことがあります。お風呂上りすぐなどの使用は避けて、万が一副作用が引きおこってしまった場合は、水で塗布した部位をよく洗い流してください。

アロビックス外用液を正しく使用する方法

アロビックス外用液は1剤型のみで濃度は5%となっています。鮮やかな緑色の透明な液体で独特のニオイがあるため最初は驚くかもしれません。

強いニオイが苦手な人にとっては、「トイレの芳香剤のようなニオイ」や「おじさんのようなニオイ」と感じる人が多いようなので辛い治療薬と感じるかもしれません。

他に、使用感としてべたつきが気になる人も多く、血流が良くなる効果からヒリヒリした感じがする、塗った部分に熱感を感じるなどの意見も出ています。こういった使用時のニオイやべたつきなどの理由のよって、使用するにあたり抵抗を感じる人もいます。

使用方法は、脱毛症や乾性脂漏の治療に使用する場合は患部に塗布して軽くマッサージを1日2~3回行います。尋常性白斑の治療に用いる場合は患部に1日3~4回適量を塗布します。

カルプロニウム塩化物の血行を良くする効果の持続時間は限られており、十分な効果を得るためには1日数回に分けて塗布した方が効果的です。

効果を実感する時期については、ミノキシジル外用薬などに比べると体への作用が穏やかなため焦らず様子を見ることが大切です。3ヶ月~6ヶ月ほど継続使用して様子を見ましょう。

アロビックス外用液の使用に向いている人

アロビックス外用液を使用するのに向いている人、使用して効果が出やすい人は、血行不良が原因で脱毛が引き起こされた円形脱毛症やストレス性の脱毛、悪性脱毛症、ひこう性脱毛症、壮年性脱毛症、びまん性脱毛症、症候性脱毛症などのホルモンがあまり関与していない脱毛があげられます。

アロビックスによる効果は身体への負担が少なく穏やかとされているため男性と同様の治療薬では制限の出やすい高齢者・女性・心臓病などを患っている人でも使用することができます。また、子供の円形脱毛症などにも使用することが可能です。

アロビックス外用液を使えない人

アロビックスの薬物や成分に対して過敏症状が現れたことのある人は、使用の際に注意が必要です。

そして、高齢者の使用に関してアロビックス外用液の添付文書には、生理機能が低下しているため使用の際、減量するように注意する添記載があります。

さらに、てんかんや気管支ぜんそくがある人・甲状腺機能亢進症・消化器官に潰瘍がある・パーキンソン病・重篤な心臓病を患っている人などは使用してはいけません。

アロビックス外用液の金額はどれくらい?入手するには?

アロビックス外用液はジェネリック医薬品であり、保険対象になるため安価での利用が可能なところも魅力の一つだと言えます。

正規薬品のカルプロニウム塩化物を含んだフロジン外用液で1ml当たり30.30円、アロビックス外用液では1ml当たりは12.30円となります。1本が30mlの場合では、フロジン外用液で1本909円、アロビックス外用液では1本369円ととても安く購入可能です。

さらに、現在、フロジン外用液を取り扱っているところはほとんどないためカルプロニウム塩化物が含まれた外用薬を処方してもらう場合は、アロビックス外用液を処方してもらうことになりますが、保険が適用されるためアロビックス外用液の場合3割負担での110.7円で済む計算となります。

また、市販の育毛剤の中では唯一、濃度は1~2%と低濃度ですがカルプロニウム塩化物が含まれたものが第一三共から販売されています。こちらは、ドラッグストアーや薬局、インターネットなから簡単に手に入れることができます。

とは言え、カルプロニウム塩化物の外用薬を使用して薄毛を改善したいと思うのであれば、濃度が低いことから同じ容量で見た場合の価格も高くなってしまうので、アロビックス外用液をクリニックに相談して処方してもらう方が費用は安くすむでしょう。

その他に安く手に入れたい場合、個人輸入代行サイトなどもあります。しかし自己判断での使用は、副作用があまりないとは言っても医薬品ですのでできるだけ避けることをオススメします。

さらに、個人輸入の場合だと他の成分が混入している可能性もあり、もし購入する場合は自己責任ということになります。保険を使ってクリニックから処方してもらい購入する方が同じくらいの価格か、安いこともあります。購入・使用には十分注意してください。

他の治療薬とアロビックス外用液との併用に関して

アロビックス外用液の育毛効果をさらに高めるために他の治療薬との合わせて使用するのは可能なのでしょうか。

外用薬ですので、どれも単体での使用を前提として作られた製品であるため含まれている成分同士が作用を阻害しあってしまう可能性・吸収率を落としてしまう可能性があるため、他の外用薬や育毛剤と併用することは避けた方がいいでしょう。

さらに、アロビックス外用液の血管を拡張させる働きと同じ効果のある薬剤の場合、身体への作用が重複してしまう可能性はゼロではありません。

実際、禁止にはなっていませんが、AGA治療に効果のあるミノキシジルや、チョウジエキス・トウキエキス・アルニカ花エキス・エビネエキスなどは強い効果が身体にありますので併用は避けた方が安心だと言えます。

もしも薬を併用するのであれば、ミノキシジルタブレットの場合はどちらも血管に作用するため避けた方が安心ですが、同じ外用薬の併用ではなく内服薬を併用する方が効果を期待できます。5αリダクターゼを抑制して抜け毛を減らし男性型脱毛症の進行を抑える効果が、デュタステリドやフィナステリド成分の内服薬にはあります。

デュタステリドやフィナステリド成分の内服薬で抜け毛を減らし、アロビックス外用液によって頭皮の血行を促進させ発毛を促すというスタイルなのでアロビックス外用液を効果的に使うことができます。

ただし、日本皮膚科学会ではこの形での併用の場合、ミノキシジル外用薬との併用を推奨しています。発毛効果は、ミノキシジル外用薬と比べると下がると考えておいた方がいいでしょう。

今回のまとめ

市販の育毛剤にも使用される成分を保有するアロビックス外用液に関してご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。アロビックス外用液については、決して脱毛症への効果が高いとは言えません。

しかし、身体への身体への負担が少なく作用が穏やかであるため健康に不安のある人でも使用できるという位置づけで、男性型脱毛症や薄毛の悩みも持ちながら健康などその他の面で悩んでいる場合ありがたい薬剤だと考えられます。

また、保険診療対象なのでメリットとして金銭的な負担も軽く済むことも広く使われている理由なのでしょう。

自分の身体と向き合い、自分にとって最適な治療方法を見つけていくことが一番です。発毛効果の強さばかりを求めて健康を害してしまっては元も子もありません。そのためにも治療の際はクリニックにて医師へ相談することを推奨します。