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デュタステリドに関して

2022.08.01

2015年に厚生労働省はAGA治療にデュタステリドという成分が効果的な新薬であると正式に認可しました。

デュタステリドは薄毛治療薬でも効果が出にくいとされているM字型脱毛に効果があるとも言われています。副作用やAGAへの作用などについて説明していきます。

デュタステリドとはどんな成分なのか?

デュタステリドは、2001年にイギリスのグラクソ・スミスクライン社が前立腺肥大症の治療薬として開発・発表した「アボダード(日本名ではアボルブ)」に含まれる成分です。

前立腺肥大を抑えるために、5αリダクターゼにある男性ホルモンのジヒドロテストステロンを過剰分泌させる作用を阻害します。これが、前立腺肥大だけの話ではなく、進行形の男性型脱毛症、AGAの治療にも効果があると判明しました。

AGA医薬品「ザガーロ」はデュタステリド成分が入っており、2015年9月28日に厚生労働省よりAGA治療薬として認可され、2016年6月13日にクリニックでの処方が開始された新薬です。

AGA治療薬としてデュタステリドを認可している国は?

2015年に厚生労働省が認可したと先述しましたが、海外でもAGA治療薬としては認可されています。

ですが、ヨーロッパやアメリカなどではまだ認可されていません。韓国が2009年に認可し、2番目に日本が認可しています。アメリカ食品医薬品局(FDA)では、1997年にフィナステリドを認可したきりADA治療薬の認可をしていません。

グラクソ・スミスクライン社は、フィナステリドが突出して発毛の成果をあげていたこと、認可審査にかかる莫大な研究資料や治験の結果報告が必要なことなどから認可申請を辞退していました。

現在は認可申請をしており、まだ認可を受けるための審査のフェーズ3(投与量の適量試験)段階で認可はされていません。しかし、認可の却下はされていません。

2015年に日本が認可したことで、デュタステリドの認識はこれから世界的に高まると言われています。

デュタステリドのAGA改善の効果とフィナステリドとどう違うのか

男性型脱毛症AGAの薄毛のメカニズムとデュタステリドによる効果

デュタステリドのAGAへの効果の説明の前になぜAGAは薄毛を発症してしまうのかについて説明します。

AGAは、頭皮などに存在する5αリダクターゼという酵素と男性ホルモンに含まれるテストステロンが結合しジヒドロテストステロンに変化し、ジヒドロテストステロン(DHT)は、強烈な男性ホルモンで毛髪の正常なサイクルを乱しAGAの抜け毛症状の原因となります。

デュタステリドには5αリダクターゼを妨げる働きがある為、強い男性ホルモンであるジヒドロテストステロンは生成されにくくなり、抜け毛症状が出にくくなるというメカニズムです。

5αリダクターゼには2種類存在する

先述の通り、5αリダクターゼはテストステロンと結合することで抜け毛の原因であるジヒドロテストステロンを生成してしまう酵素ですが、1型と2型の2種類存在します。

1型5αリダクターゼは、前頭部・高等部・側頭部・脇の下・頭頂部・脇の下・陰毛部分などの皮脂腺に存在する酵素で、脂性肌の人に多く、全身の体毛の抜け毛が起こります。

2型5αリダクターゼは、前頭部・ヒゲの毛乳頭・頭頂部に存在する酵素で、体毛やヒゲなどの濃い人に多く、テストステロンとの結合でジヒドロテストステロンの中でも特に強いものを生成してしまいます。

1型5αリダクターゼと2型5αリダクターゼの分泌を妨げる効果がデュタステリドにはあるため、1型5αリダクターゼだけを阻むフィナステリドよりもAGAの治療に効果的と言われています。

第Ⅱ/Ⅲ相国際共同試験(第Ⅲ相試験:非劣性試験 )のフィナステリドを対照とした結果でもデュタステリド0.1mgの毛髪変化量とフィナステリド0.1mgの毛髪変化量が同量程度であること、そしてデュタステリド0.5mgはフィナステリド1mgの毛髪変化量の1.5倍であることから高い効果がよくわかります。

デュタステリドによる副作用について

高い効果があるということは、それだけ大きな影響が体にあるということですので不安を感じる人も少なくないでしょう。日本皮膚科学会のガイドラインによると、男性へはA「行うよう強く勧める」の推奨度とされていますが、女性へはD「行うべきではない」の推奨度とされています。

ザガーロに添付されている文書とガイドラインにはデュタステリド成分の副作用は、リビドー現象・性欲減退・インポテンツ(勃起不全)・射精障害・乳房障害(乳頭痛・女性化乳房・乳房不快感・乳房痛)・黄疸・肝機能以上などが記載されています。

ただし長期服用で性的副作用に関しては落ち着くともされていますのでクリニックまたは薬剤師に相談の上継続しながら様子を見るといいでしょう。他に、デュタステリドによって前立腺がんマーカーの数値が1/2になってしまうため、前立腺がん診断の際は数値を2倍にする必要があるため服用を告げましょう。

上記色々と副作用を挙げていきましたが、厚生労働省より処方を推奨されている確証ある治療薬です。

また、アメリカではフィナステリドの治験結果でノセボ効果(ノシボー効果・ノーシーボ効果・反偽薬効果とも言います)を引き起こすポストフィナステリド(PFS)症候群が問題になりました。

ノセボ効果とは、思い込むことによって引き起こす副作用のことを言います。フィナステリドの服用をやめた後も副作用のポストフィナステリド症候群が続くという症例がありました。

あまりにもデュタステリドに発毛効果があるためノセボ効果で副作用を感じる人がいても不思議ではないのです。こうした、人の心が引き起こす体への作用は意外にも大きいものです。

自分の体調を把握しないまま個人輸入で服用したり、用法容量を守らずに服用したりせず効果とその副作用をしっかりと理解した上でクリニックにて医師の指導の元処方してもらえば安全と言えるでしょう。

デュタステリドを使ってはいけない人

女性・子供・未成年・重篤な肝機能障害を持った人はデュタステリドはを服用してはいけません。

特に妊婦の場合、日本皮膚科学会のガイドラインには「男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼすおそれがあり女性への投与は禁忌」とされています。
引用元:https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf

さらに、デュタステリドは血液の中で持続する時間が長く、服用中そして服用をやめて6ヶ月の間は献血をしてはいけません。子供や妊婦に献血した血液が使われないとは限らないからです。

同様に、成分は精液中にも移行するため将来子供が欲しいと考えている男性は服用を避けた方が安心です。その精液によってできた胎児に影響を及ぼす可能性は低いと考えられていますが、ゼロではありません。

将来を考えて妊活を~と思ったら、デュタステリドの血中濃度の半減期は3~4週間ほどとなっていますので、1ヶ月~半年前から服用をやめましょう。

効果と反動による初期脱毛とリバウンド脱毛

初期脱毛に関して、デュタステリドの効果が出ているという証しのため副作用として紹介するものではないかもしれません。初期脱毛は、細く弱い毛髪が服用によって抜けることで服用から約2週間~1ヶ月で脱毛しはじめ、抜け始めてから1~2ヶ月、長くても3ヶ月ほどで治まります。

初期脱毛を乗り越えた後抜け毛が減っていくので通過儀礼とも言われています。これを知らずに焦って服用をやめてしまうと効果を実感することができませんのでしっかりと覚えておきましょう。

リバウンド脱毛は、こちらも副作用と言うにはふさわしくありません。デュタステリドを途中で服用を中止した時に男性ホルモンを抑えていた反動が起こり強力な脱毛が起こるとされていますが、そのような科学的根拠もデータも存在しないのが事実です。

服用をやめたことで、デュタステリドの服用によって抑えられていたAGAの症状が元に戻って薄毛になってしまうというだけのことです。

デュタステリドによる効果はどのくらいで出るのか

デュタステリドの効果が出る期間の説明の前に、AGAの場合の成長サイクルと通常の髪の成長サイクルを見ていきましょう。

一般的に、健康な頭皮の人の髪の成長サイクルは、成長期(2年~6年)→退行期(2週間前後)→休止期(3ヶ月前後)で2年~6年の間毛根で育てられたしっかりとした髪の毛が生えていきます。

しかし、AGAの人は、成長期(数ヶ月~1年程度)→退行期(2週間前後)→休止期(3ヶ月前後)となっています。血行不良やジヒドロテストステロンの影響によって成長が阻まれているためです。

健康な頭髪の人と比べると、成長期が特に短くなっています。成長期が短いということは髪がしっかりと成長する前に表面に生えてきて抜けてしまうということになります。

デュタステリドを服用することにより5αリダクターゼが抑制されると、毛髪の成長を阻むジヒドロテストステロンを生成しにくくなり、髪の毛が抜けにくくなっていきます。

まず、服用をはじめて約2週間~1ヶ月で初期脱毛がはじまります。初期脱毛から1~2ヶ月、長くて3ヶ月ほどで治まります。脱毛を乗り越えたら、服用から約3ヶ月で抜け毛が減少や、産毛の増加を実感します。

ですが、毛髪が増えたと感じるほどには伸びていないため髪の毛が伸びて実感するまでは6ヶ月ほどは様子を見た方がいいでしょう。

効果が表れにくい人について

高い効果を誇るデュタステリドですが、効果が表れない人はいるのでしょうか。
まず、髪が伸びて効果を実感できる6ヶ月以上服用を継続せずにやめてしまった場合は、効果を感じることはできません。

そして、髪の成長サイクルは、回数が決まっています。AGAの人の成長サイクルは成長期が特に短く、どんどんと回数を消費してしまっているため早くに毛根の寿命を迎えていることがあります。

重度の薄毛で髪が抜けきっている人は毛根の寿命がきてしまっているため、効果は期待できません。ザガーロの添付文書に記載されている臨床試験の治験対象でも重度のAGAの人は含まれていません。

AGAの治療は早い段階で・・とは言いますが、デュタステリドに関しては年齢が上がってからでも効果を感じることができます。年齢が上がってしまってからでは効果がでないのでは・・と不安を感じている人は、自身の薄毛段階がどれくらいにあるのかを確認するといいでしょう。

残念な事に、デュタステリドを用いてもジヒドロテストステロンの抑制ができないほど強い5αリダクターゼの影響を受ける体質は、遺伝します。このことから、症状がAGAで原因もジヒドロテストステロンであった場合でも、薬の効果が表れにくい人がどうしても出てしまうことは知っておいてください。

デュタステリドに対する耐性がついてしまう?

AGAやその治療薬についてインターネットで調べてみると「デュタステリドには耐性が発生する可能性がある」という記載が時々見られます。薬品によっては確かに身体が抗体を生成してしまって、効果が薄れていくこともあります。

実際のところAGA治療に関してデュタステリドは、5年以上の長期的な経過観察が行われていないため耐性に関してのデータがなく可能性を否定できないでしょう。

しかし、デュタステリド成分が配合された前立腺肥大症の治療薬が登場したのは、2001年の事です。その間、薬に対して耐性がついたというデータや効果が減少したというデータは存在しないことから、デュタステリドによる耐性は出ないと考えられると言えます。

フィナステリドと合わせて交互に服用することを推奨する記事などもちらほら見かけますが、そういった記事の通り3ヶ月から半年ごとにフィナステリドとデュタステリドを交互に服用する場合、先述したようにデュタステリドの効果が表れるのは約3~6ヶ月継続してからの事です。

服用をやめた場合、効果が得られる濃度で血中に残るのは約1ヶ月でそれ以降毛髪はどんどん薄くなっていきます。そうなった場合は、約3~6ヶ月服用しやっとデュタステリドの効果を実感するころに服用をやめデュタステリドの血中濃度はフィナステリドの効果が出る前にほぼなくなり抜け毛が増えていきます。

そして、フィナステリドの服用を3~6ヶ月継続し効果が出たころにまた服用をやめてしまうと、フィナステリドもデュタステリドも意味のない服用になりかねません。AGA治療の近道は、クリニックでの医師の指導の下、0.1mgまたは0.5mgが配合されたデュタステリドを1日1回正しく服用することだと言えるでしょう。

今回のまとめ

効果的なAGA治療薬として新しく認可されたデュタステリドについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

新しい治療薬だから安全性について心配を感じる人も少なくないかもしれません、しかし前立腺肥大症の治療薬としてすでに世界中で使用されているため安心して服用していただけます。

インターネットでは、不安をあちこちに煽るようなサイトが多く見つけられます。自己判断はせず正しい知識のあるクリニックにて医師の指導の下処方してもらえば、効果的な薬を安心して使用することができます。