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ミノキシジルに関して

2022.08.01

ミノキシジルという治療薬は、多くのクリニックでAGA(男性型脱毛症)の治療薬として使用されています。比較的、日本でも認知度が高いのではないでしょうか。

高い発毛効果を持つミノキシジルは、M字部分や生え際、頭頂部まで効果があると言われています。

今回のブログでは、ミノキシジルの効果や副作用に関して、詳細を説明していきます。

AGA(男性型脱毛症)について

はじめに、AGA(男性型脱毛症)についてしっかり理解しましょう。男性型脱毛症AGAは、andorogenetic alopeciaを略したもので、思春期以降に発症します。薄毛に悩む男性の内90%以上はAGAとされており、現代の日本人男性の内、AGAの発症率は全年齢の平均で30%、20代男性は10%、30代男性は20%と年齢が上がる毎に割合が増えていく進行性の脱毛症です。

症状の主な特徴としては、
・生え際が後退していくM字脱毛症
・頭頂部が薄くなっていくO型脱毛症
・M型とO型が合わさった複合型脱毛症
の3つの症状が挙げられます。

女性の場合にも「女性男性型脱毛症(Femwomanale Androgenetic Alopecia=FAGA)」と呼ばれるものがあり、近年FAGAで薄毛に悩む女性が増加しています。FAGAはAGAの症状とは異なり全体的にボリュームがなくなり、薄毛になっていきます。

AGAはなぜ毛髪が抜けるのか

AGAの原因は、男性ホルモンに含まれるテストステロンの影響とされています。頭皮などに存在する5αリダクターゼとテストステロンが結合し、ジヒドロテストステロンへと変化します。

ジヒドロテストステロン(DHT)に変化すると、抜け毛の原因となる毛母細胞の分裂を抑制し髪のサイクルや成長期間を狂わせるTGF-βというタンパク質を、男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)と結合することで生成します。

5αリダクターゼの影響が大きい髪の生え際や頭頂部は、症状が出やすい部分です。さらに血管が細く少ない、血流が悪くなりやすいなどの理由からうまく栄養素が行き渡らず、髪がさらに成長できなくなり薄毛が進行してしまいます。

女性の薄毛のFAGA(女性男性型脱毛症)も、原因は男性ホルモンの影響と言われています。加齢によって、40歳を超えたくらい~更年期以降になり女性ホルモンの減少によって男性ホルモンが優位となり、影響を受けやすくなっていきます。

若い女性のFAGAは、食生活や生活習慣の乱れ・過剰なストレス・無理なダイエットなどが原因でホルモンバランスが崩れ、男性ホルモンの影響を受けやすくなってしまうことで症状を引き起こしやすくなります。

AGAにミノキシジルはどういった効果があるのか?

ミノキシジルについて

ミノキシジルは、高血圧の人の治療薬としてアメリカのファイザー製薬によって開発された血管拡張剤です。体毛が増加する症状が同時にみられたことから薄毛の治療に効果があるのではと研究されて、薄毛治療薬として使用されることになりました。

現在では、世界90か国以上でAGAに効果がある成分として承認されており、日本においても日本皮膚科学会の脱毛症診療ガイドラインで選奨されています。

ミノキシジルの使い方は、内服するタブレットと液剤を頭皮に塗る外用薬の2種類あります。

発毛をミノキシジルが促進する仕組み

なぜミノキシジルが発毛を促すのでしょう?血管拡張剤であるミノキシジルは、血管を拡張させ高血圧を治療します。血管の拡張は髪を強くする効果もあります。

そして、直接毛母細胞に働きかけることで毛母細胞の活動を活動的にし、薄毛の改善に必要な成長因子の生成を促進させる物質アデノシンを分泌させる作用もあります。成長因子としては、ケラチン細胞増殖因子(KGF)や血管内皮細胞増殖因子(VEGF)などがAGAに効果的であり、これらの生成が促進されます。

AGAやミノキシジルについてインターネットで調べるとたくさんの成分の名前や成長因子がアルファベットやカタカナで記載されていて混乱するかもしれません。このブログでは、毛髪の成長にとって重要なものをピックアップして詳細を説明していきます。

発毛成長因子(FGF-7)とも呼ばれている、ケラチン細胞増殖因子(KGF)は、毛髪の構成成分の90%以上を占めるケラチンの生成を促進させ毛髪の成長を促し薄毛の解消に繋がります。

血管内皮細胞増殖因子(VEGF)には、血流を改善したり血管がないところに新たに血管を作る作用があります。血管が少なく細い生え際部分などの血流を促し、弱く細くなっている毛髪に栄養を行き届かせます。

ミノキシジルを使うことでアデノシンが分泌され髪の成長因子を増やして発毛する力を取り戻し、さらに、血行を改善し丈夫に育毛する効果を得られることが分かっています。

ミノキシジルが配合されている育毛剤で有名なリアップX5プラスの発毛データから、97.8%以上の人の薄毛が52週に渡る長期使用によって解消したという結果が出ており、長期継続していくことで改善の度合いが向上するという医師の評価も出ています。

他に、ミノキシジルの推奨度は日本皮膚科学会による脱毛症診療ガイドラインでも、「行うよう強く勧める」という分類になっています。

ミノキシジル外用薬の使用方法や副作用は?

ミノキシジル外用薬の正しい使用方法

ミノキシジルの外用薬の場合、薄毛の気になる生え際や頭頂部に1日2回、塗布します。育毛フォーム、ローション、ゲルなどたくさん種類がありますが、毛髪ではなく頭皮に散布して浸透させましょう。

塗布した後は、浸透させる必要がある為すぐに洗い流さないようにしましょう。そして、毛穴が詰まっていては効果を実感することができなくなりますので、頭皮は清潔な状態であることが必要です。シャンプーをして頭皮を清潔な状態にしてから塗布して、浸透させてください。

ミノキシジル外用薬の比較試験では、男性被験者は24週までに平均として20.90本、女性被験者では24~32週に、平均13.18本増加したという結果が日本皮膚科学会による男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版から出ています。

使用する際は少なくても4ヶ月以上は使用し様子を見てください。

ミノキシジル外用薬の濃度について

ミノキシジルの濃度は海外のものも含めると1%から、30%までと幅広くあります。国内市販の育毛剤だと5%まで、クリニック処方の場合は7%~15%までとなっています。日本皮膚科学会のガイドラインでは、女性には1%、男性には5%での使用を推奨しています。

ミノキシジルの濃度と比例して効果も高くなるのか?というとそうとは言いきれません。濃度が高くなると、副作用も引き起こしやすくなり頭皮が荒れてしまい逆に抜け毛になる可能性もあります。

また、ミノキシジルの性質として、濃度が高くなるとべたついたり独特なニオイがあります。高濃度のものは最初から使用するのではなく、濃度の低いものから少しずつ上げていくのがいいでしょう。

ミノキシジル外用薬で引き起こる副作用は?

ミノキシジル外用薬の副作用は、顔面の多毛・かゆみやかぶれ・紅斑・発疹・落屑・毛包炎などがあります。早く効果を感じたいからといって塗布が多すぎると副作用が出る可能性が上がりますので用法・容量を守って使いましょう。ベストは気になる箇所に1mg塗布です。

ミノキシジル内服薬の服用方法と副作用は?

ミノキシジル内服薬の正しい使い方は?

ミノキシジルの内用薬は、ミノキシジルの成分が血液に融和し発毛しにくい生え際などの部分にも体内から効き目を発揮します。ミノキシジル内服薬は市販されていません。

錠剤には2.5mgの錠剤と5mg、10mgの3つの濃度があり、1日の服用量は最大10mg目安に1日1~2回、処方されることが殆どです。

はじめは、2.5mgの低い濃度で様子を見て少しずつ濃度を高くしていく方法が一般的です。

ミノキシジル内服薬の使用による副作用とは?

外用薬とは違い内服薬の場合は、発毛効果が高い分副作用も強くなります。外用薬は頭皮への塗布ですので頭皮の副作用が殆どですが、内服薬は全身に体内から成分が吸収されることで全身症状の副作用が起こりやすいとされています。

もともと高血圧の治療薬のため血圧が下がるケースもありますので、血圧に疾患を持っている方や、ほかに降圧剤を服用している方やは服用できません。

そして、血圧が下がることによりめまい・頭痛・倦怠感・ふらつきなどを感じる場合があります。その他、不整脈・かすみ目・動悸・性欲減退・手足のしびれ・体重増加なども挙げられています。

薄毛が気になり育毛剤では物足りず、どうしても使用してみたい、という方でも、自己判断で個人輸入などを利用して手に入れてから不安になってしまうことが多いです。しっかりと知識を持ったクリニックに相談することがいいでしょう。

ミノキシジル内服薬を服用した場合、副作用と言っていいのか悩ましいところですが、『初期脱毛』という現象が引き起こされることがあります。人によって個人差はありますが、初期脱毛は使い始めて2週間~1ヶ月程度で始まり1か月ほどで治まると言われています。

現在生えている成長が止まった髪の毛や弱い髪の毛が抜け落ち、新しく強く太い髪が生えてくるための一時的な現象です。不安になることもあるかもしれませんが、効果が出ている証しだと思って耐えましょう。

気になる部分別にミノキシジルの効果を比較

ミノキシジルはAGA治療に効果があるとされていますが、体質や気になる部分などによっては、効果を実感しにくい場合があります。

頭頂部(O型脱毛)について

頭頂部は、ミノキシジルの効果が最も出やすいとされています。血行不良が薄毛の原因であることが多いためミノキシジルによって血行をよくし栄養を行き渡らせ、育毛を促すことができます。

効果があまり実感できない場合の原因としては、ミノキシジルの濃度が低い・血行不良が原因ではない・塗布の仕方が正しくないといった3つが考えられます。クリニックに相談することを推奨します。

生え際(M字型脱毛)について

生え際は、効果がなかなか出にくいとされている部分です。生え際の頭皮が硬くなりやすいためミノキシジルが浸透しにくいことがその原因として挙げられます。

また、ミノキシジルは発毛を促す効果はありますが、脱毛を抑えるといったことはできません。
生え際は、脱毛の原因物質のジヒドロテストステロン(DHT)を作り出す5αリダクターゼの影響を受けやすくなっている部分のため発毛よりも脱毛症状が強く出てしまい、効果を感じにくいのです。

ミノキシジルの濃度をあげる・5αリダクターゼを抑える作用のあるものを併用する・ミノキシジル内服薬を使うなどによって効果を実感できるでしょう。

前頭部について

この部分は、5αリダクターゼの中でも特に強く薄毛の影響を与える2型5αリダクターゼが分泌される部分で、血行不良も原因ですが生え際と同じように効果を実感しにくい部分です。

ミノキシジルの濃度をあげる・2型5αリダクターゼを抑えるため他の成分を合わせて処方してもらう・ミノキシジルを内服するという3つの方法で効果を実感することができるでしょう。

今回のまとめ

AGAの治療に効果が高いミノキシジルについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。ミノキシジルは、発毛の効果が世界で認められている医薬品です。

しかし、ミノキシジルが効果があるとされてからもAGA治療の研究は、日々進化しています。人によって効果が出にくい場合があったり、体質に合わない場合があったりしますが、仮に効果を実感できなかったとしても新薬が日々開発されてきていますので落ち込むことはありません。

AGAはクリニックのカウンセリングや治療で自分に合った治療法を見つけて、対策していきましょう。